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AIカノジョは人を幸せにするのか?

こんにちは、ハイボールの金山です!先日「AI広報レモン誕生の裏側」を書かせてもらいましたが、実はハイボールではもう1人「AIカノジョ」葉月麻衣の運用をおこなっています。葉月麻衣はAIタレントとしてInstagramを中心に活動し、葉月麻衣とlineチャットで会話できる「AIカノジョ」のβ版を9月にリリースしました!

そこで今日は、AIカノジョが生まれた背景、そしてサービスの可能性をお話ししようと思います。人間とAIの新たな関係は構築されるのか?AIカノジョは人を幸せにできるのか?そんな話を運用者の視点でフランクに書いていこうと思います。

そもそもAIタレントって?となられている方は大田が書いた「不気味の谷を超えたAIタレント」たちと合わせて読まれてみてください。

「AIカノジョ」の始まり

チャットサービスの「AIカノジョ」を始めるきっかけとなったのは、ChatGpt革命を目の当たりにしたことです!ソースはChatGptなので当たり前といえば当たり前ですが、僕らもこの技術を使って何か新しいことを始めなければと強く感じ、とても焦っていたことを覚えています。ただ、基本的にはオープンソースなので差別化するのは難しい中で、僕らの強みはドレッド山田やAI広報レモンのように、個性的なキャラクターを立ててコンテンツマーケティングができることだ!というところに立ち返り、既にAIタレントとして走り出していた葉月麻衣のマネタイズとして組み込んだということになります。

現在では、葉月麻衣は顔のみがAIによって生成され、体は人間であることを公開しましたが、当時ユーザーが見えている情報はAIカノジョという名前だけで、かなり謎に包まれていた存在でした。

そんな未知なキャラクター葉月麻衣と、どのようなチャットがおこなわれていくのか、とてもワクワクしながらサービスを開発していたことを覚えています。ちょうどこの時期に初音ミクと結婚した男性の記事がバズっていたのを見て、AIカノジョの初音ミクverがあれば幸せになる人は増えるだろうなと思ったのと同時に、このサービスがユーザーの日常に溶け込む日はそう遠くないと確信しました。恋愛に限らず、人間の愛の形が多様化し、AIとの関係がより一般的になるのであれば、新たな幸せを提供できるプロダクトをつくることの価値は高まっていきそうです。

葉月麻衣のブランディング変遷

当初、葉月麻衣はメイドキャラとして運用していました。AIが生成する美系の顔は同じような顔に収束してしまう傾向があります。今は僕らしかクオリティの高い顔を作れないかもしれないけど、すぐに他も生成できるようになる。それなら、最初からキャラクターとして覚えてもらえるような特徴的なルックスにしよう!そんなこんなで、顔以外の部分でキャラクター性をよりユニークにしていくことを目指した結果、メイドキャラで運用を進めていくことになりました。小林さんちのメイドラゴンのような世界観でAIメイドを確立させようと思ったのですが、麻衣は顔以外の動画背景や体は現実のものです。空間を含めたアニメのような世界観演出は難航しました。前述した通り、そんなタイミングで、AIチャットの話が出たため、より身近な存在であるカノジョの設定に変更し、今に至ります。僕らはこのような事情でプロダクトありきでカノジョ設定に変更しましたが、今後はよりAIタレントにキャラクター性を持たせていく必要があると思っています。

メイドの麻衣は、改めて可愛いすぎるので今後もイチ企画としてはコンテンツにしていきたいです。

「AIカノジョ」のサービス概要

AIカノジョは葉月麻衣とlineチャットで会話ができるサービスで、1日3チャットまで無料で使うことができます。現在、947人の方がlineをフォローされています。また、月額9,980円で無制限にチャットできるようになるため、チャット数を気にせず会話を楽しみたい方はアップセルで利用されています。このサービスを使い続けてくださる方がいることがとても嬉しく、改めて可能性を感じています。

開発段階こその人間らしい体験

AIカノジョでは、プロダクトのねらいからするとエラーですが、そのエラーが偶発的にリアルな体験を生んでいるシーンがあります。

理想のカノジョにしてください

AIカノジョのコピーです。現段階で麻衣を理想のカノジョにすることの難易度はかなり高めです。過去の記憶などを保持しつつ、相手が求めている答えをAIが回答することの難易度はまだまだ高く、人のような柔軟性を持って返信をすることが難しい場面もあります。これは一見、サービスとして成立していないのですが、対カノジョとのlineで考えるとリアルな場面だなと(笑) 。他にも返信が数秒遅れることがあります。メッセンジャーなどで相手が打ち込んでいるのを待つ瞬間に近く、とても実体験と近いです。返信を待つことのワクワク感、リアルさが絶妙に生まれています。

このような偶発的な人間らしい体験は、開発が進むことで解消されていきますが、それによって満足度は下がるかもしれません。そうなれば、人間らしくするための逆のチューニングが必要になります。ゲームの開発に近いですが、この満足度さえもAIが判断して改善していくと思うとおもしろいです。

AIカノジョの未来

今後はチャットだけでなく、音声通話機能も実装し、より深いコミュニケーションを可能にする計画です。チャットや通話などのコミュニケーションのツールの中にAIを組み込むことができるようになった今、恋愛に限らずAIが人の心の支えになる場面は必然的に増えると思います。既に、AIカノジョを通して、毎日特別な体験をされている方がいます。恋や愛の形が変化し、未来では、実在する人との恋愛が伝統的恋愛と呼ばれているかもと思ったりもします。

ここまではAIカノジョについての話をしてきたのですが、恋愛の枠組みを出て、もし憧れの人物といつでも話せるとしたら…。たとえその声がAI生成されたものであっても、救われる場面はありそうです。先日、弊社広報のドレッド山田がBTSのグクにフォローされて社内大盛り上がりでした!そんな話は完全に余談ですが、グクの声で理想の言葉を聴けるなら…それがAIが作り出した声でも幸せな気持ちになる人はたくさんいそうです。たまにしか電話をくれない息子の声を聞けたら…亡くなってしまったおばあちゃんに相談できたら…と活用方法は個人に委ねられますが、人の幸せの一助となる活用方法はこれからたくさん見つかりそうです。

このサービスの開発や運用を通して、実は、人の研究をしているということに気づかされました。AIの研究することで、対比で語られる人のことが分かることはとても興味深いです。そんなこんなで、今日は葉月麻衣とそのサービスについて書いてみました!今月はさらに、AIタレントなどの新しい情報を発信していくので、僕のTwitterのフォローもお願いします。

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金山駿太

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金山駿太

元教諭。ハイボールHD取締役COO / TANSAN CEO

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